Rのことを知りたければ「R言語逆引きハンドブック」だと思う

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こんばんわ、myuhe a.k.a R本積読いたら雪崩れて窒息死 です。

さて、Rといえば素晴らしい和書が多く出版されています。和書で比較すればもしかしたらJavaより多く出版されているかもしれません。

そして、個人的には待望の逆引きタイプである「R言語逆引きハンドブック」が先月出版され、ししかもなんと著者の石田さんからなんとご恵贈いただきました! ありがとうございます、家宝にしますです。

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鈍器としても使用可能なボリュームですので、まだ全然読みきれてませんがとても素晴らしい書籍でしたのでいくつかポイントをあげて紹介させてもらおうと思います。

実践的内容はほぼ網羅

とにかく、Rに関することがあますことなく網羅されているという印象を持ちました。もうてんこうもりという感じです。

ただ、なんでもかんでもつっこんどけ! という雰囲気ではなくて、これまで数々のR本に携わられた石田先生ならではのこだわりを感じました。

Rを使いはじめてまずとまどうのがデータの取り込みです。特にRが利用される場がどんどん広がりつつある中で、ユーザはいろいろなデータの取り込みを要求されていると思います。本書ではデータの取り込みについてかなりページを割いています。単純なファイルとのやりとりだけに留まらず、Excelとの連携、sqlとの連携、ネットワークを介した連携などなど様々な方法について詳しく書かれてあります。

環境について詳しく書かれているのも特徴の一つです。Rは環境がファーストクラスという少し変った特徴をもつ言語で、特に他のプログラミング言語を知っているとかなり違和感を感じますがこれまでのR本では環境について詳しく説明されてきたものがあまりありませんでした。そのため環境に関する理解が必要なところを曖昧に説明しているものがあまりにも多かったように思います。 環境について詳しく説明がされることで、assignやgetなど環境を引数にとる関数の説明がスムーズに頭に入ると思います。

グラフィックス関係もてんこもり

グラフィックス関係についても基本的なところから発展的な内容までかなり網羅されています。

本書ならでは、と思った点は日本語を扱ううえでのtipsについて解説されている点です。Rはなかまさんをはじめ、多くの方の努力により日本語もほぼ問題なく利用できるようになっていますが、グラフィックス関係となるといろいろハマリどころが残っています。

本書では、各所に日本語を使うえでのtipsが含まれていてかなり勉強させていただきました。こういった点は、なかなかまとめられているものがなかったのでとてもありがたかったです。

といっても、Rのグラフィックスシステムはあまりにも広大です。さらに深く理解したい場合は、例えば同じく石田先生が翻訳されている「Rグラフィックス自由自在」、「グラフィックスのためのRプログラミング―ggplot2入門」やkuboさんが訳されている「Rグラフィックス」がおすすめです。

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内容が新鮮

Rは変化の速い言語です。本書は現時点で最新のR2.14.1に対応しています。例えば、本書で解説されているバイトコンパイルはR2.13で導入されたものですし、並列処理に使われるpararellパッケージはR2.14で標準パッケージとなったものです。

このように、過去出版されてきたもので触れられていない事柄について詳しく解説されているのも素敵です。

開発環境に関する内容が充実

Rの発展にともなって、開発環境も様々なものができてきました。最近ではRに特化したIDEであるRstudioも公開され、選択肢はどんどん広がっています。

本書は開発環境について詳しく解説されています。もちろん僕も愛用しているEmacs上のR環境、ESSについても詳しく解説がされています。

しかも、僕が作ったelispについてもいくつか紹介していただきました!! もう本当に嬉しいです。

というわけで、これからR始めるよ、という方は本書を買ってEmacserになりましょう(ぇ

こんな人におすすめ

本書は、これまでのR本とは少し趣の異なる一冊です。例えばPythonでいうところの「エキスパートPython」、Javaでいうところの「Effective Java」のような雰囲気があります。なので、プログラミング経験が全くない、という方にはなかなか敷居が高いかもしれません。

逆に、他言語に関する知識がある方や、ある程度Rに関する知識がある方には間違いなくおすすめしたい一冊です。

これからも末永くおつきあいしていきたい大事な一冊になりました。

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