Org-modeとMS Wordの連携

突然ですが、Microsoft Wordをご存知ですか。とってもお節介で、そのくせ肝心なところに気が回ってなくて、もう本当に素敵です。これだけ素敵なアプリケーションだから「書類はwordで作成してください。」とついお願いしてしまうようなファンがたくさんいるんですね。
こうなると、Org-modeで作った文章もWordにエクスポートしたくなるというのが人情というものです。
Org-modeは7.6からOpenDocumentText形式でのエクスポートをサポートしているので、ワープロソフトとの連携もスムーズに行えます。というわけで、今回はOrg-modeとODTの連携を試してみます。
準備
Org-modeは頻繁にバージョンアップするので、まずは、手元のOrg-modeのバージョンを確認しておきます。(org-version) を評価することで確認できます。バージョンが古ければ、アップデートする必要があります。こちらからダウンロードしてインストールしておきましょう。
Org-modeをインストールしてもODTのエクスポート機能はすぐに使えません。この機能はまだ開発半ばであるということで、contrib扱いとなっていますので、Org-modeのcontribディレクトリの中のlispディレクトリにロードパスを通してからorg-modulesにorg-odtを追加します。
(setq org-modules (append org-modules '(org-odt)))
これで、準備は完了です。
エクスポート
実際にODTでエクスポートしてみます。お題はこの日記にしましょう。この日記もorg2blogを使ってorg-modeで書いているので、そのままエクスポートすればよいです。
せっかくなのでいろいろ試してみましょう。んー例えば画像とか。
表とかはどうでしょう
Org-mode | AAA | BBB |
Word | CCC | DDD |
Writer | EEE | FFF |
早速、エクスポート。Org-modeでは、どんな形式のエクスポートでも最初はC-c C-e となってます。そう押したらば、すかさず「o」。これでODT形式のファイルが出力されているはずです。
出力したファイルがこちらになります。
画像や表もうまく出力されてますね。srcブロックもうまく表現されています。これで、Wordのお世話になることもだいぶ減りそうです。
スタイルを変更したい時は、Org-mode/contrib/odt/styles の中にあるxmlに手を加えることになりますが、膨大な量です。少なくとも、事前にODTの仕様についてはある程度理解しておく必要がありそうです。
Org-modeはこの他にもASCII、Freemind、Docbook、iCal等々多くの形式へのエクスポートが可能です。詳しくは、M-x org-info で Exportingの章を参考にしてください。
また、現在有志の方々でOrg-modeのinfoの翻訳作業を進めています。まだ査読作業が残っていますが、英語がつらいという方は参考にされてください。
org-mode-doc-ja/org-ja – GitHub
ちなみに、Exportingの章の翻訳は私が担当しました。原文の方が読みやすい可能性もありますが悪しからず。
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