HDR-目では見れないダイナミックレンジの世界-

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昨日に引き続き、写真ネタ。

 デジカメには再現できる色の幅というものがあります。例えば、白と黒は出せるけど灰色は出せない、って感じで全ての色を100%再現できる訳ではないわけですね。この幅のことをダイナミックレンジと言うようです。

 デジカメだけでなく、銀塩カメラもこの幅とやらを持っていて、一般的にはデジカメより高いと言われてます。ま、最近の技術革新でその差もほとんどないんですが・・・

 じゃ、ダイナミックレンジが高いやつほど、良いと言えるのかと言うとそうでもない。人間の目にもダイナミックレンジのようなものがあります。
 例えば暗い部屋のものをずっと見ていて、ふと明るい窓を見ると窓の外の風景はしばらく見えないでしょう。しばらくすれば目も慣れてきて見えるようになります。つまり、人間の目はある一定の明るさで反射する色と一定の暗さで反射する色の両方を一度に認識することはできず、それぞれに対して、いわば露出補正を行って対応しているわけですな。

 だいぶ、蘊蓄が長くなりましたが、じゃ足りないダイナミックレンジを複数の写真を使って合成することで高いダイナミックレンジの写真を生成する技術がHDR(ハイダイナミックレンジ)というものです。

 ぐだぐだ言うより、見た方が良さそうですね。

 
 

 ま、このようなどこにでもあるような普通の写真。露出は若干アンダーな感じでしょうか。

続いて、全く同じ構図の写真。今度は逆にオーバー気味。空なんて白飛びしちゃってますな。

 ま、それぞれなんて事はない写真なのですが、露出が違うため、それぞれ異なるところでダイナミックレンジから外れちゃってうまく表現できていません。ま、そちらの方が普通で人間の色感覚に近いはずなんですが、これを無理矢理合成すると↓みたいになっちゃいます。

 
 

緑が鮮やかに撮れていますが、空はどんより。普通ここまで緑が鮮やかに出れば、空は白く移りそうなものですが、そこはうまく色を表現している露出アンダーな写真で補完されているようです。Flickrのコミュニティーではもっと鮮烈な写真がアップされてます。一日中眺めても飽きないかも。

 銀塩では、なかなか表現できないのができるのもデジタルならではの楽しみですな。