文学青年

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 どうにか、田口ランディの「モザイク」読み終わりました。

 ちょっと古いやつなので、時代の違いを感じるところもありましたけど、後半は面白くなって、一気に読み上げてしまいました。

 「コンセント」とコンセプトは似ていたんですが、こっちの方が今日的な感じ。情報化社会で、現実が現実でなくなっていく。その裏では、それで苦しむ人がいる。主人公は例のごとく、女性なのですがやはり、「コンセント」と同じくある種のバッファーとなる力をもつ女性。

 後、読み終えて思ったのが、女性は強いな~ということ。男の著者は変なロマンチシズムにまみれたり、皮膚の上に何重もの鎧を付けたりして、自分を守ろうとしますが、女性はその点、とても描写がリアルです。社会生活では男性の方が主導的なポジションにいることが往々にしてあるけども、動物本来としての男性とは生命を継承していく過程での補完的な生命でしかないし、生物としては女性の方が完成されているんだろうし、絵画だったり、文学だったり、自分の感性で仕事するようなとこには、向いているのでしょうな。

 そういう潜在意識下での劣等感のようなものが、男を形作っている基礎にあるような・・・

 ま、ちと話それましたが、本の方はグロめの性描写もあって敬遠する方もいるかもしれませんが、読むとヒッキーになること間違いなしです。

 

モザイク

モザイク