【読書】となり町戦争

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休みの日に買ってきた本をとりあえず読書。今回は三崎亜記著「となり街戦争」。BGMはRei Harakami「[lust]」。

ある平凡なサラリーマンが自治体間の戦争に巻き込まれて様々な体験をするお話。なんですが、戦闘に関する描写は皆無です。

 賛否あると思いますが、戦争に関する解釈は、いかにも団塊ジュニア的な考え方。リアルな戦争が感じられないまま、地方自治体間戦争の歯車に巻き込まれていきます。

 そんな主人公に、ヒロインはこう言います。p122

 あなたは、この戦争の姿が見えないと言っていましたね。もちろん、見えないものを見ることはできません。しかし、感じることはできます。どうぞ、戦争の音を、光を、気配を、感じ取ってください。

 
 この感覚は戦争を未経験者を親に持つ団塊ジュニア世代以降(ま、僕もそうですけど)の空気を如実に発している気がして、なぜか主人公に感情移入してしまうのです。

 それと、特筆すべきは地方自治体に関する執拗なまでのマニアックな描写。「ノー残業デー」、とか「第5号様式別表2」、とか「再生紙を利用しています」、とか「文書審査」とか云々。作者が公務員との兼業作家というのがもろに出てる訳ですが、ここまでマニアックに書くと民間の人との感覚の違いとかはっきり出るのかもしれません。

 戦争の裏に流れるのが、主人公とヒロインの成り行き。公務員のヒロインと、民間人の主人公。雇用主のヒロインと、雇用者の主人公。非常に複雑な関係が二人の間にはあって、それは、戦争の進行とともに・・・・
 
実は、この作品って去年映画化されてるのですね。主人公役は江口洋介。ヒロインは原田知世ってwwwwおいおいサナトリウム文学ぢゃねっつの。
 
僕だったら、主人公役は迷わず、筒井道隆!!ヒロイン役が悩むところですが、麻生久美子か香椎由宇ってところでしょうか・・・
 
話が横道に逸れましたが、作者が九州の人と言うこともあり、風景の描写とかも何となく身近に感じられるような気がします。梅雨のうっとうしさがますます憂鬱になること、間違いなしデス。

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